FX SVHO や Cruiser SVHO(1812 cm³、過給、2014年式から2023年式)が、最初の数分間はおよそ 7500 rpm まで回ります。ところが20分から30分後には回転数が 4500 から 5000 に落ち、警報も警告灯もビープ音も何も知らせません。あるオーナーがフォーラムでこのようなケースを報告しています。大切なのは位置づけです。これは個別のケースであり、そこでは原因は解明されていません。確かな説明はありませんが、問題を絞り込む方法はあります。
これについて分かっていること
過給エンジンにはヒートソーク(Heat Soak)があり、複数の情報源で説明されています。長時間負荷がかかるとシステム内に熱がこもり、20分から30分の連続負荷は、それが蓄積しうる時間です。今回の原因がそれかどうかは、記録なしには判断できません。同じように、温まってから初めて不具合を起こすスロットルバルブや、時間とともに低下する電圧も考えられます。
推測ではなく計測走行を
この症状は停止中には起こらないため、記録するしかありません。M-JET Diagnostic は FX SVHO と Cruiser SVHO に対応しており、走行全体を通じてライブデータを記録できます。モデルごとに最大34項目の計測値です。出航前に記録を開始し、いつものコースを走り、桟橋で分析してください。走行中、スマートフォンはポケットに入れたままで構いません。
注目すべきは、落ち込んだ後ではなく、その直前に何が起きているかです。見る価値のあるラインは4つです。
- 吸気温度(コード23): これが上昇し続け、ある範囲に達したところで回転数が落ちるなら、ヒートソークを示唆します。
- 吸気圧(コード29)と大気圧: 決め手は、過給圧が先に落ちるのか、回転数の後に落ちるのかです。
- スロットルバルブ(TPS)とスロットルレバー(APS): 両方の信号がそろって動いているか、それともどちらかが外れているか。
- バッテリー電圧(コード19)。
さらに、警報が出ていなくても、エンジン(15)とエキゾーストマニホールド(65)の温度も確認します。番号は情報源によって異なることがあり、アプリの説明が優先されます。
記録で分かること、分からないこと
回転数が落ちる直前に、どれかのラインがはっきりと折れ曲がっていれば、方向性がつかめます。どのラインにも何も表れなければ、それもひとつの所見です。その場合は ECU が計測していない何かが原因です。クラッチが滑り始めたスーパーチャージャーはデータ上で低い吸気圧として現れますが、それは証拠にはなりません。吸入口の異物、キャビテーション、詰まった通路といった冷却水経路の問題はアプリからは見えず、圧縮低下も同様です。
タイミングチェーンもその一つです。2014年と2015年の SVHO では弱点とされており、2016年以降は強化されました。チェーンの摩耗はどの診断機でも分からず、エンジンを開けた整備士にしか判断できません。
計測走行は、普段問題が起きるときと同じ天候で行ってください。水温が低く気温も低いと症状が現れないことがあり、所見のないきれいな記録だけが残ります。
記録の概要はデータロガーと計測走行で、このシリーズの特徴は FX HO、Cruiser、SVHO の診断で紹介しています。
比較のための2回目の走行
1回の記録だけでは誤解を招くことがあります。できれば同じような天候と負荷でもう一度同じコースを走り、2つの推移を並べて比較してください。再び20分から30分後に回転数が落ち、吸気温度が2回とも同じ範囲にあれば、再現性のあるパターンが得られたことになります。これはフォーラムのどんな推測よりも価値があります。
結果を持って整備工場へ
最終的に、吸気圧がはっきり低下し、ほかの値には異常のない推移が残った場合は、一人で推測するのではなく、その記録を持って整備工場へ行きましょう。30分経ってから初めて出る故障を、工場でわざわざ再現する必要がなくなるので、時間の節約になります。